7月5日ベネズエラのナショナルデーに寄せた駐日大使のメッセージ

  • 2020.07.24 Friday
  • 11:30

1811年、7月5日はシモン・ボリバルとミランダらが、スペイン独立戦争を経てベネズエラ第一共和国を樹立した日です。ベネズエラは7月5日をナショナルデーとしています。このナショナルデーに寄せたイシカワ大使のメッセージが7月6日付けのJapan Times に掲載されました。ベネズエラ大使館のHPにも載っていますが、大使館のツイッターでのナショナルデーに関連したツイートも併せて紹介します。

7月5日ベネズエラのナショナルデーに寄せた駐日大使のメッセージ

7月5日のベネズエラのナショナルデーに寄せた、セイコウ・イシカワ駐日大使のメッセージを掲載します。

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ベネズエラ•ボリバル共和国独立209周年記念における

セイコウ・イシカワ駐日大使からのメッセージ

2020年7月5日 東京において

 

ベネズエラ・ボリバル共和国独立記念日というこの素晴らしい機会に際し、日本のベネズエラ人コミュニティの皆さんに心よりご挨拶とお祝いを申し上げます。また、天皇皇后両陛下、日本政府及び日本国民の皆さまのご多幸、ご健康とご繁栄を願うとともに、ベネズエラ・日本両国の末永い友好関係に向けた私どもの新たな決意を表します。

 

米国政府による違法な「一方的強制措置」(国連決議による呼称)―いわゆる制裁―の結果として困難な経済情勢に置かれているにもかかわらず、ベネズエラはCovid-19の感染拡大を抑えてきました。これも、政府が迅速で強力な予防・対応措置を施し国民がこれを守ったこと、キューバ、中国、ロシア等の国々による有益な技術支援があったこと、そして世界保健機関(WHO)をはじめとする国連機関と協力して取り組んできた結果です。

 

非常に早い段階で、我が国政府はオンラインでCovid-19のスクリーニング調査を実施し、各家庭が新型コロナウイルスに類似した症状の有無を報告、これに基づき当局がフォローアップを行いました。3月31日時点で1,500万名以上が調査に回答し、調査結果に基づいて戸別訪問キャンペーンが実施されました。症状がある人のうち優先順位の高いケースを追跡調査して無料で検査を行いました。感染拡大の中心が南米に移る中、ベネズエラはラテンアメリカでも感染者率が低く、死者数の少ない国となっています。なお、人口100万名あたりの検査数が中南米地域の中で最も多いのがベネズエラです(6月28日現在、100万名あたり41,339件)

 

感染拡大により否定的な社会的・経済的影響が出ていることを考慮し、我が国政府は、これまでボリバル主義政府の象徴となってきた社会計画や経済対策をさらに拡充しました。例を挙げると、(1) 12月31日までの職務保証、(2) 中小企業に対して6か月間の給与支払いを肩代わりする特別措置、(3) 家賃支払いを6か月間停止、(4) 非公式経済部門及び民間企業の労働者への特別手当、(5) 700万の低所得世帯に食料を保証するための優先的な農業・食料投資計画の拡充、などがあります。

公衆衛生の危機―制裁による経済危機と合わさって―のさなか、ベネズエラは食料を保証し、無償の医療を提供し、Covid-19の検査を広く実施し、労働者階級への経済的圧迫を緩和する責任を負ってきました。中南米地域で感染拡大の中心地となっている周辺国から7万名以上のベネズエラ人が帰国した理由が、このことからわかります。

 

国際社会がCovid-19感染拡大による複合的かつ破壊的な影響に対処するというこの異例の状況下、国際的な討論の場において、一方的強制措置が我が国民一般に及ぼす壊滅的な影響に関して意見の一致が見られつつあります。アントニオ・グテーレス国連事務総長は3月23日の声明において、世界的な即時停戦を全加盟国に呼びかけ、パンデミックとの闘いに共に注力することを求めました。グテーレス氏は最近発表された「国連のCOVID-19に対する包括的対応」において、世界の指導者が「諸国家への制裁を控えることにより、食料、必要不可欠な保健用品、医療・人道支援従事者へのアクセスを保証する」必要があると、正しくも強調しています。これは、制裁スキームに終止符を打つよう求めるミシェル・バチェレ国連人権高等弁務官やテドロス・アダノムWHO事務局長の呼びかけと立場を同じくするものです。また5月4日に開催された非同盟運動の「Covid-19パンデミックに対する団結」サミットで採択された宣言は、制裁を非難し、国家的なパンデミック対策の有効性を担保するため制裁を解除するよう強く求めています。

 

国連創設75周年を迎え、私たちは人類のため今まで以上に国連憲章の精神と規則を支持・擁護せねばなりませんし、加盟国一つひとつがこれを遵守する必要があります。不平等や現行制度の弱点があらわになり、かつ増幅している現在の危機下において、ベネズエラは一国行動主義や対立ではなく、さらなる多国間協力、国家間・国民間の国際連帯を擁護します。

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英語原文はPDFでご覧ください。

 

 

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