イシカワ大使から報道に携わる皆様へ--ベネズエラのクーデター未遂事件について

  • 2019.05.03 Friday
  • 10:40

4月30日に発生した、アメリカの後押しを受けたファン・グアイドらを首謀者とするクーデターは、ベネズエラ国軍だけでなく、市民からも支持を得られず発生から 24時間の内に,収束させられました。

今回のクーデター未遂事件をめぐっては、クーデターが「正当」なもので、「政権転覆の可能性」があるかのように伝える、事実誤認や偏見にもとづいたメディア報道がほとんどでした。

ベネズエラ大使館のイシカワ大使が、本日(53日)、報道に携わる皆様に向けて、事実の経緯を報告するメッセージを発信されました。クーデター未遂事件の経緯を知り、広く真実を広めていきたいものです。

 

 

 

報道に携わる皆様へ

2019年4月30日に発生した、アメリカの後押しを受けたファン・グアイドー氏らを首
謀者とするクーデターは、ベネズエラ国軍のみならず、市民からも支持を得られず発
生から 24時間の内に,収束させられました。国軍はあらためて揺るぎない憲法の遵守
と 現政権を 断固として支持すると表明しています。

今回のクーデター未遂事件をめぐっては、あたかも、クーデターが「正当」なもの
で、「政権転覆の可能性」があるかのように伝える、事実誤認や偏見にもとづいたメ
ディア報道が散見されました。

ここに改めて、公正なる報道の一助になればと考え、事実の経緯を共有させていただ
きたく存じます。

<経緯>

▼4月30日の早朝から少数の軍兵士が、ベネズエラの首都カラカス市のアルタミラの
インターチェンジに集合。フアン・グアイドーと反対派の指導者、レオポルド・ロペ
ス氏がニコラス・マドゥーロ大統領の立憲政府を打倒する目的で「自由作戦」と実行
するとクーデターを呼びかけた。

▼一時、情報の混乱があったものの、上記の呼びかけは、クーデター首謀者らが、民
主主 義の制度内での反政府運動に展望が持てず、追い詰められたあげくの呼びかけ
であったことが周知となるや、一時、集まりかけた軍人グループも相手にせず、散発
的な衝突で事態はまもなく収束した。

▼ニコラス・マドゥーロ大統領は、同日夜、国民に向かってクーデター未遂事件の経
緯を報告、つよく非難した。大統領に加え、共和国副大統領、国防大臣、外務大臣な
ども、今回の未遂事件はアメリカ政府とベネズエラ極右勢力が共謀した暴挙であると
して非難した。

▼ブラディミール・パドリーノ国防大臣は、国軍は引き続き国の憲法と合法的な政府
諸機関を断固擁護すると表明。カラカスのラ・カルロタ空軍基地を含め、全国のすべ
ての軍の部隊は、中央政府が掌握しており、正常な状態にあると報告。

▼同日深夜から翌日にかけて、ミラフローレスの大統領宮殿前に10万人を超える市民
が集まり、ニコラス・マドゥーロ大統領への支持を表明した。公的機関と軍の慎重な
行動により、事態は鎮静化し、首都カラカスは平静に戻っている。今回の事件につい
ては、特別の調査委員会により、事態の詳細があきらかにされ次第、関係者は、すべ
て、司法のプロセスで、裁かれることとなる。

今回のクーデター未遂事件は、グアイドー氏ら極右勢力が、国内で支持を得られず、
追い詰められた結果、起こしたものと言えますが、同時に、アメリカ政府や、それに追
随する国々が、公然と国軍に対してクーデータの呼びかけに応じるようにと発言して
おり、事件の全体の構造を国際的な侵略行為のひとつとして認識することが必要で
す。

アメリカの内政干渉の度は限度を越しています。マイク・ポンペオ国務長官は、「マ
ドウロ大統領がベネズエラから去ろうとしている」など全くの虚偽の言説を弄し、
クーデターを後押ししようとし、ジョン・ボルトン大統領補佐官及びマルコ・ルビオ
共和党上院議員らも、明らかなフェイク・ニュースを用いて、ベネズエラ政府を攻
撃し続けています。

現在、世界の公的な機関や、メディアでは、民主主義を踏みにじる「暴力」「テロ行
為」については、一致して、厳しく指弾するのがいわば公理なっております。事実、
今回のクーデター未遂事件についてEU政府は、それを支持せず、平和的な解決を促す
アピールを発し、メディアも慎重な報道姿勢をみせてきました。

ベネズエラでおきている事態は、アメリカを中心とするグループが一国の民主主義を
踏みにじる間接的な侵略であることをあらためて、認識していただき、今後の取材、
ニュース配信については、慎重かつ、バランスを考慮しておこなっていただけますよ
うお願いを申し上げます。

Seiko Ishikawa

Ambassador

 <http://www.venezuela.or.jp> www.venezuela.or.jp



コメント
コメントする