米の対ベネズエラ経済戦争が、CLAP食糧プラグラムを標的に

  • 2019.05.27 Monday
  • 21:43

米トランプ政権による対ベネズエラ経済制裁は、ベネズエラ国民の生活の根幹ともなっている食糧配給プログラムCLAPをも攻撃の対象にしています。経済制裁で、ベネズエラ国民を飢えさせ、マドウーロ政権に見切りをつけさせる、という恐ろしい戦術です。

サイトPopular Resistance に掲載された記事を紹介します。

米の対ベネズエラ経済戦争が、CLAP食糧プラグラムを標的に--数百万のベネズエラ国民が被害者に。

US Economic War On Venezuela Targets CLAP Food Program Relied On By Millions

 

 

写真(https://www.mintpressnews.com/us-economic-war-venezuela-targets-clap-food-program-relied-millions/258709/):2018年5月16日にカラカスで撮影。ベネズエラ政府のCLAP(Local Committees of Supply and Production, 地方供給・生産委員会)プログラムにより配給された豆、米、ツナ、粉乳などが入った箱を受け取る市民。米による経済的な締め付けは、決裁現金が不足しているベネズエラ政府を苦しめ、国民に食糧を配給するのを困難にしつつある。

 

米は、自らがベネズエラに仕掛けている政治体制交替を人道主義からくるものとしているが、米の真の狙いはCLAPの高官に働きかけ、野党のリーダーである、ホアン・グアイドを新大統領に据えることなのだ。CLAPは、ベネズエラ国民が信頼を寄せているプログラムなのだ。

 

カラカス、ベネズエラ-- 米政府はベネズエラの食糧配給プログラム、CLAPの関係者に制裁を加えようとしている。ベネズエラに対する最新の強圧手段である。

 

この新しい制裁措置は経済政策調査センター(Center for Economic Policy Research)による報告書に続いて、出てきたものである。同報告書によれば、これまで、4万のベネズエラ国民が、トランプが仕掛けた制裁が原因で命を落としている。

 

制裁により、生命に関わる医薬品、食糧がベネズエラ国内に入ってこなくなっているのだ。「制裁により、ベネズエラ国民は生命に関わる医薬品、医療機器、食糧などの最重要物資を奪われてしまっているのです」と、同報告書の著者であるマーク・ワイスブロ氏はプレス・リリースで述べている。

 

駐ロシアベネズエラ大使のカルロス・ラファエル・ファリア・トルトサによれば、米による禁輸はベネズエラに対し、数十億ドルの被害をもたらしている、という。

同氏は「米が2015年から昨年2018年までに課した経済制裁の結果、ベネズエラ経済が被った財政的被害は1,300億ドルに及んでいる」と語っている。

 

スプートニク・ニュース紙は、最近米の対ベネズエラ、対ベネズエラの高官に対する経済制裁の年表を発表したが、それによれば、経済制裁の大半は、トランプ政権下で行われている。

 

政府による真の人道主義的支援--ベネズエラのCLAP

 

ロイターによれば、トランプ政権国家安全保障会議、財務省、国務省、司法省は新たな経済制裁を準備しているが、その中にはCLAPに対する制裁も含まれているという。

 

ロイター:

数年にわたりハイパー・インフレが続いている、南アメリカの産油国ベネズエラの家庭の多くは、基礎物資・食糧については食糧配給プログラムCLAPに依存している。

 

国民への物資の配給。経済戦争の負担の緩和。

米との経済戦争により国民が被っている負担を軽くすることを目的として、CLAP5,734,705の世帯に対し物資を供給してきている。この数字はマドウーロ大統領がCLAPの適用を600万の家庭までに拡大すると公約した際に発表されたものである。このCLAPプログラムにより、ベネズエラ国民は基礎物資を極めて低価格で購入できるようになった。

 

ベネズエラ・アナリシス(Venezuela Analysis)によれば:

肉1キロ、鶏一匹、とうもろこし粉3パック、パスタ、いわしの缶詰、歯磨き粉、ティッシュ、など、いずれも7,500ボリーバルで、米3ドル以下の価格である。卵、生鮮野菜も適正価格で販売されていた。

 

国際アクション・センターの共同運営者であるサラ・フラウンダースは、ミント・プレスに対し、次のように話している:ベネズエラに行き、この目で見た食糧供給プログラムCLAPは極めて印象深いものだった。

ベネズエラ人4万人を死亡させたのは、米である。

米はベネズエラ向けの基礎医薬品の8割を輸出出来ないようにしたのだ。こんなことが許されるであろうか。経済制裁はベネズエラ人を殺している。苛烈な経済戦争が仕掛けられているのだ。

 

ベネズエラは豊かな国なのだ。石油、金の埋蔵量、国民への配給能力ということでは世界一である。250万以上の住宅が建設され、医療クリニックは、そこかしこにある。ところが突然、そのクリニックが患者に対し、必要な医薬品(糖尿病用、心臓病用、抗がん剤など)を投与することが出来なくなってしまったのだ。

ベネズエラ国民は自分たちで食糧生産することは出来るのだが、米の制裁はほとんどの基礎的物資に及んでいる。入手が困難な物資であり、突然の供給打ち切りは真の物資不足をもたらすことになる。

 

ベネズエラには、誰に対しても基礎的物資を配給するというプログラムが存在していることに感銘を受けた。国民は、二週間おきに、物資の入った箱を受け取る。このプログラムこそがCLAPである。調理用オイル、トイレットペーパ、衛生用品、米、コーヒー、砂糖などあらゆる物資が配給されるのだ。すぐには育てることが出来ない基礎的物資が四分の三の国民に届けられている。まさに、基礎生活保障が供給されているのだ。

 

 

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ベネズエラ政府のプログラムCLAPで配給される基本的食糧の入った箱を受け取る市民、2018年、カラカスにて。(AP通信)

 

活動家・ジャーナリストのグロリア・ラ・リバは次のように述べている:

CLAPの配給品の中には鶏、肉、月に36個の卵などが含まれる。私的市場では、鶏一匹が10,000ボリーバルするのだが、CLAPは、鶏に動物の肉を加えて、500ボリーバルで供給している。

 

CLAPは、単に物資をトラックで運ぶだけではない。コミューン住民評議会の中に高いレベルの組織、やはりCLAPと呼ぶ組織が出来ている。CLAPのコーディネーターは他のカウンシルの組織の役職と同じく、コミュニティ(コミューン)の中で選挙により選ばれる。

 

筆者はある晩、カラカスのアンティマノ地区にある三つのCLAPが集まってのミーティングに参加させてもらった。そこには207世帯の家族が出席していた。アンティマノ地区の全世帯数は、65,000である。

 

米にとっては目新しい戦術ではない。

米がCLAPの高官を標的として経済制裁で攻撃しようとしているのを見ると、60年代の対キューバ経済制裁が思い起こされる。その経済制裁は今も続いているのだが。

 

米政府の覚え書にこう書いてある:

キューバ国内のカストロ支持を崩すには、経済に関する不満、苦難に基づいて、カストロ支持を打破、離反を引き起こすしかない。

 

同覚え書は、飢え、自暴自棄を生み出し、政府を転覆しようという気運を(キューバ国内に)持ち込む、ことについても記述している。

米はベネズエラ政府の食糧配給プログラムCLAPに経済制裁を課そうとしている。米が一度提案した“援助・支援”よりも遥かに効果的なのだ。

米は、人道主義の立場からベネズエラに介入しようとしているのではない。ベネズエラ国民を飢えさせ、最期にはマドウーロ政権を見棄てるところまで追い込むつもりなのだ。

 

米は、ベネズエラでの政治体制の変革を人道主義的立場から主張しているのだと言う。しかし、多くのベネズエラ国民が依存しているCLAPプログラムに関わる高官を標的として経済制裁を課し、野党のリーダーであるホアン・グアイドを大統領に据えるのが真の狙いなのだ。

 

原文:https://popularresistance.org/us-economic-war-on-venezuela-targets-clap-food-program-relied-on-by-millions/

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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